- 作者: 山本おさむ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: コミック
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本編とは別に、わりと新しく最近出た巻。
本編同様、とても考えさせられる、胸を打たれる素晴らしい作品だった。
この巻を読んでいて、小泉政権で成立した「障害者自立支援法」がいかに悪法だったか、あらためて暗澹たる思いがした。
応能負担ではなく応益負担となったため、共同作業場で働きたい障害者の人が働くこともできなくなり、いかに苦しい思いをしたか、本当によく調べてリアルに描かれていた。
幸い、安倍政権の時に時限的な緩和措置がとられた上に、民主党への政権交代で障害者自立支援法は大きく見直されるようになった。
これからさらに、障害のある方々や福祉の現場で働く人たちの声によく耳を傾けたうえで、これから新しく制定されるという障害者総合福祉法も本当に良い内容のものにしていって欲しいものだ。
にしても、「自立支援」などという美名のもとに、その弊害を考えずに簡単に一度法律をつくってしまうと、本当に大きな弊害や苦しみが生じてしまうのだなあと、この作品を読んでてあらためて考えさせられた。
作中、
「法律は言葉や理念だけでなく、お金に姿を変えて自分たちを苦しめる」
ということを登場人物が痛感するシーンがあるのだけれど、本当にそのとおりだと思う。
障害者自立支援法の問題性や、我々の社会のありかたを考えるためにも、本編とあわせて、ぜひ多くの人に読んで欲しい一冊だと思う。