- 作者: 平沼赳夫
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/06/21
- メディア: 単行本
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平沼さんの生い立ちや人生が面白く回想されていて、読み物としても読みやすかった。
平沼さんの政治姿勢に賛同するかしないかは別にして、政治家の本では珍しく面白い本だと思う。
小泉改革への鋭い批判や、アメリカの年次改革要望書の問題の指摘などなど、部分的には共感するところも多かった。
その全てに賛同するかどうかは別にして、平沼さんは小泉政治に断固として反対したという点では、しっかりした信念のある政治家だと思う。
自主憲法の制定を掲げて、ほとんど地盤も看板も金ない中、徒手空拳で政治家を目指して立候補して、一軒一軒訪問し、自筆で葉書を書いて支持者を増やしていったというのも、すごいもんだなぁ〜っと率直に感心させられた。
また、小泉さんを「軽佻浮薄」とズバっと言ってのけてるのも、なかなか痛快だった。
そう言ってのけるだけの資格のある数少ない政治家では、平沼さんはたしかにあるのかもしれない。
ただ、なんというか、平沼騏一郎の養子という出自のせいもあるのだろうけれど、良くも悪くも、戦前の国家主義者みたいな気風漂う方だなぁ〜っと思った。
聴くだけ野暮かもしれないが、大逆事件についてはどう思っているのだろう。
たぶん、保守派の内部でも、平沼さんみたいな政治家は天然記念物のように珍しくなりつつあり、小泉さんやその亜流のようなポピュリストの方が自民党には多いのだろう。
左派の人からは、ひょっとしたら小泉さんよりも平沼さんの方がデインジャラスな存在とされるのかもしれない。
賛否両論いろいろあるのかもしれないが、とりあえず平沼さんのスタンスがよくわかる本だった。