プラトン 「国家」

国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈上〉 (岩波文庫)


これは面白い!
タイトルは国家となっていますが、哲学や人生や、考えるということ、生きることや死ぬこと、いろんなことを学べる古典中の古典と思います!

もうずいぶん昔、はじめて読んだ時に感心したのは、
「己に克つこと」について、
ソクラテスが、
「己に勝つとはどういうことかね?己に勝ったら、同時に負けてる己もいることになるのではないかね?」みたいな質問をしていることに、

どんなことにも質問をして、論理的に問い詰めていく西洋文明の真髄を見た気がして、とても感心しました。
これが、論語だと、先生が「仁とは己に克つことだ」というと、弟子がそれ以上質問せず、ははーっとかしこまるだけで終わってしまうんですよね。

どんな問題でも、自分の頭で徹底的に論理的に疑問を持って考えていく、西洋哲学の精神が、この古典に脈打っていて、読むたびに触れる事ができます。

ただ小難しい哲学や国家の議論だけではなく、末尾の方では、エルが臨死体験をして、いろんな人々の輪廻転生する姿を見たという、とても神秘的な話も載っていて、それらもすごく興味深く楽しめます。

もし読んだことがない方は、必ず一読を。
昔読んだことがあることは、ときどき再読を。
おすすめしたいです。