山岸涼子 「日出処の天子」

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

聖徳太子を描いた漫画。

なんだか、最後はとてもむなしいというか、かなしい気持ちにさせられます。

「太子、あなたの青春はもっと輝いていたはずではありませんか!」

「黄昏だなあ」

の二つの台詞は、なんだか意味もなく折に触れて思い出させられます。

史実かどうかは関係なく、人間のどうしようもない業を、壮大なスケールで描いていることだけは確かでしょう。

聖人としての聖徳太子ではなく、異様な、異形の聖徳太子を描いて提示している点で、とても興味深いと思います。

個人的には、毛人ののほほんとした姿もけっこう好きでした。