ヘッセ 「シッダールタ」

シッダールタ

シッダールタ

これを読んだときは、ひさびさに文学を読んで深々とした感動を味わったというか、やっぱり文学ってすごいんだと思いました。

魂の糧になる文学って、めったにあるものじゃないけれども、これは間違いなくそのめずらしい例です。

仏陀と同時代という設定の、架空のインド人の青年・シッダールタが、時空を超えた現代人にとってもとても共感できる人間のあり方や、苦悩や、生涯を経ていきます。

著者のヘッセは、ユング精神分析を受けたり、そうした知見をとりいれてこの小説を書いたそうで、とても深い内容になってます。

西洋人が東洋の心をわかるはずがない、と昔は思っていましたが、どっこい、ヘッセは並の東洋人よりよほど深い東洋・西洋を超越した人類の叡智に達していると、この本を読んで感じました。

オススメの一冊。