第一回【自然エネルギーに関する 「総理・有識者オープン懇談会」】後半メモ

第一回【自然エネルギーに関する 「総理・有識者オープン懇談会」】後半メモ


前半のメモ
http://d.hatena.ne.jp/elkoravolo/20110619/1308454212


一時間経過あたりから


・小林
自然エネルギーが普及していけるかという問題は、孫さんのような存在が出てきて、地方行政を結びつけているのは、とても希望がある
中央に権限が集中してきて、依存の流れがあったのから、まだ抜け出せていない
エネルギーの場合、自分たちでコントロールして、自治していく
地方行政からお金をもっと引き出していくこと
何かを否定するのではなく、みんなが魅力あるものを
自然エネルギーは魅力あるものになりうる


ツイッター
・バイオについてはいかがか?

菅総理
この話するととまらなくなりますが、地球を救うのは植物だと思っています。
地球は、むかしは火星のようにCO2ばかりだったのを、植物が酸素をつくって今の地球の大気をつくった。
太陽の力を一番地球にためたのは植物。
動植物というより、植動物というべきぐらい。
植物をつかったエネルギーの可能性は大変大きい
植物をうまく活用すれば、地球のエネルギーをまかないきれるぐらい

毎日新聞記者から
他の政府機関への政策に、今日の話は反映されるのか

菅総理
さまざまな場で、いま議論がされていますが、これからの電力産業のありかたについてなども議論されており、近いうちに官房に電力事業のありかた、電力をもっと開放するかも、官房の中にそういう部門も設けます、
今ある審議会に反映する部分もありますが、もっとダイレクトに反映させる機関もつくっていきます。

・記者
自然エネルギーをもっと増やすには?

孫正義
地方から、いろんな、驚くぐらい広大な土地、ごみ処理場の埋め立て地などの話があげられてきている。
他に使えない土地が、ごみ処理場や、昔の塩田の跡地など、また空港の滑走路の向こう側は建物を建てちゃいけないので、あるいは、工業団地で誘致できていない空きっぱなしの場所、耕作放棄地、
この狭い国土で使われていない土地を、人々の役に立つことに使えたらありがたいという声があがってきています
自然環境を乱すのは困るのでは、という声が太陽光や風力・地熱・水力についてもあがっているが、原子力事故に比べれば困るのでは。
風力の風車の声が心地よいというヨーロッパの人の冗談もある。
500M離すとだいたいいいし、1キロ話せば、ギアレスの風車であれば、高速道路の車の騒音よりはるかにマシ。
風力・風車だけで40万人雇用。
新しい雇用を生むには、原発より大きい雇用がむしろできる。

ありとあらゆる選択しを適材適所で使えばいい。


・枝廣
自然エネルギーを社会で広げるルール作りが今はまだ日本にない。
エネルギーを広げていく時のルール作りを各省庁でやっていく
ある省庁ではなく、あらゆる省庁の総合力
省庁のプロジェクトを総合しまとめる、総合力としてやっていくのが、デンマークでは首相でやっている
それぞれの省庁の得意なところを使って、プロジェクトをつくって欲しい


菅総理
NEDOという小型版を経産省がやってはいますが、やや規模が小さいので、自然エネルギー推進機構を省庁横断的につくる
原子力を進めるための方法を逆利用してもいい。原子力をつくるためには科学技術庁という庁までつくって、いろんな機構をつくった。
省庁横断的な仕組みは、急いで努力します。


・司会
地域にまかせていく仕組みはどうお考えですか?


菅総理
瓦礫の中に相当な木質がある。
その木質を、活用して、合板につかえるだけでなく、木質の発電所を持っている東北の企業もあり、そうした形をモデルでいくつかやり、将来は間伐材などを使う案が出てきている。
孫さんがすごいところは、相手を自治体でリンクしているところ。
自然エネルギーは地域分散型。
地域の中で、どこに空地があるか、どこにバイオマスがあるか。
輸送にコストをかけず、運ばず、地域の中でより効率的にやること。
水力も、小川のせせらぎで、ちょっとした昔の水車のようなことを工夫できる。
自治体で組めばできる。


・岡田
自然エネルギーは分散型、ひとりひとり国民の参加型
組織的にいうと、そういう組織の方がずっと強い
ただ、全量買い取り制度などの枠組みだけつくることは大事
脳が枠組みだけつくり、細胞がそれぞれみんなで勝手にどんどんがんばる
そのように、国家が枠組みつくり、あとはみんながそれぞれつくり、動く

・孫
岡田さんに同感。
かつてインターネットはNTTが99%以上だった。
世界で一番、高い料金で、低速だった。
そのなかで、ヤフーをつくって始めた。
一社が独占していると、一番高くて低速でもみんなわからないままでやっていた。
それで当時の首相に提言した。
競争できる仕組みを国がつくるべきと。
今は変わってきた。


菅総理
おっしゃるとおりで、電力事業そのものを、国鉄や電電事業のように、改革の議論を始めるべき。
議論の場、枠は、できる限り早くつくります。


・司会
五万人以上が今見ていますが、自然エネルギーのために私たちは何をしたらいいのかという声が来ておりますがが。


菅総理
いろんな方がいますが、知り合いが我が家は90%以上電力は自宅で自給しているという方もいて、そういうのができる方はそういうことをされてもいいし、岡田さんがいろんな活動の中で

・孫
太陽光電池を屋根につけただけで、意識だけで、電力の使用量が二割減る
農家が米を大切にするように、平均つけた瞬間から二割電力使用が下がる


・岡田
環境が一定ということはなく、環境が危ないのでなく、人間が危ないわけで、要はひとりひとりが意識していく、そういう意識を広めることが大事だと思う。


ツイッター
総理、質問は面白いものが多いと思いますが、これを生かせる、政府主催の意見交換の場をつくれないものでしょうか。
政府主催で意見交換の場をつくれないものでしょうか。


菅総理
やりましょう!

この分野はみんなが参加しないと動かない分野ですから、さらに参加や広がりが大事だと思います。


・司会
参加者からひとことずつネット参加者へお願いします


・枝廣
さきほどツイッターからの質問で私たちは何をしたらいいか?というのがありましたが、

1、 選ぶこと エネルギー源や、投資、選挙
2、 声を出すこと 投書、ツイッターフェイスブック
3、 話をすること 周りの人に話す 倍に倍に どんどん話していく

国民が国民のために国民として、こうした大事なことを話していく


・岡田

富良野で倉本さんと環境教育のインストラクターをやっているのですが、そこで、こういう言葉の碑文があります
アメリカインディアン「自然は子孫から借りているもの」という言葉があります
借りているものは、汚したり壊したらいけない、
とは言ってもな、という言葉を一言でも減らしていくことが、大事と思います


・小林
物事が転じていくときは、何かを失った時がきっかけになるということがある
いま大きなシフトチェンジが必要とされてゐる
若い人たちが、これではいけない、といろんな声をあげようとしている
これは多様なものがあり、過激なものも、そうでないものあるが、それらをつないでいくことが、今の我々がやらなければならないと思います
これからの一歩にこの場をしていきたい


・孫
総理がこんなにざっくばらんで、バイオに熱く語る人とは、思っていなかった
ひとりの人間として、子どもたちを思い、国を思うのはみんな共通していると思う
国を思う、という気持は、自分がどうなっても将来的にずっとかかわっていきたいと菅総理がおっしゃっていましたが、本来は、いろんな政治家の方も、エネルギーや原発についてどう思うか、そうしたことを語ったうえで、そのうえで国民が自分たちの想いをやってくれる人にやって欲しいと思うと思う
政権がどういう形になったとしても、この思いは、継続して、開かれた形で国民が自由に意見を言えるような形でやっていって欲しい
やっとこういう形になったのですから、これが続かなかったら元も子もない
責任のあるかたちを、ずっと引き継げるようにして欲しい


・田坂参与
私の思いをあえていえば、オープン懇談会は、民主主義はどうなっていくかという私自身の想いがある
自然エネルギー、分散型は、エネルギーの民主化
選挙にいくだけが民主主義ではない
さきほど、五万人という数字を見て、ありがたいと思った
総理のまわりに有識者、そして五万人、もっともっと多くのかたに集まってもらい、質疑応答する
その一歩を、今日踏み出せた
これはまだ最初の一歩
ここに参加するという参加民主主義は、行動する民主主義の一歩でもあると思います
参加するという事から、さらにひとりひとりが責任をもって行動する
今日は、そのささやかな一歩に
このご縁を大切にし、さらに大きな動きを


・福山副官房長官
今日はありがとうございました
率直に話し合える機会で、それを全国の皆様が聴き質問できる素晴らしい機会でした
私は環境問題がやりたくて国会議員になったのですが、ずっとやってきて、今日こういう場がある自体が感動しています
しかし、震災・原発があってこの場というのは悲しく、被災地の方にはご苦労をおかけています、政府として何ができるか、毎日毎日自問自答しながらやっている、それをいかに将来につなげていくか、それをやることが公の仕事をさせていただいている人間の役目と今日あらためて思いました
良いイメージをみんなで共有していくことの大切さ、孫さんのように空いている土地に太陽光をつくっていく、かつて学生時代どの学生の部屋にもクーラーはなかったけれど、いまはある、将来は、どこにもソーラーをつける、それで環境にも優しいというライフスタイルをつくっていくというイメージが国民が共有できれば、あっという間に変わる、携帯やデジカメは五、六年であっという間に広まった、広まれば値段も下がっていく、それを後押しするのが政治の役割だと、今日皆さんに伝えていただきました
脱原発や反原発や推進派というレッテル貼りをして思考を止めることは、震災以後やめるべきで、情報を出して、国民に選択していただくこと、
地域、未来への投資と思うか、コストと思うか、そのどちらかで印象は変わる。レッテル貼りをするのでなく、こういう場を日本全国でつくっていくことが大事と思います。
リオの地球サミットで、地球は動きだし、20年がたちます。
人類が進歩しているかはわかりませんが、意識の共鳴は世界中で起こっているので、ネットを通じて、来年のリオの会議で、日本はこういう動きがあると報告していけることを願っています。


ツイッター
今回は答えてもらえなかった質問はどうなる?


菅総理
今後、できるだけ、主だった質問には今後も答えていくようにします。

COP3で福山さんから顔にペインティングされたこともあり、その頃から一緒にいろいろやっているのですが、今日いろんな御話を聞けて楽しかったです。
この地球は子どもたちからの借り物
私の好きな本に、立花隆の『宇宙からの帰還』に、地球が月から見たら偶然と思えなかった、という話があります。
アインシュタインは、原子力をつくって、しまった、と思ったといいます。
科学技術を、人間がコントロールできるのか。
コントロールするには、広い意味で、政治や、国民が、コントロールするということが大事。
コントロール不能のものを生み出してしまった象徴が、原爆・水爆。
私たちがいま直面していることは、根源的なことだと思います。