新生こそ世界への恩返し


日本の新生への道をしっかり歩むことこそ、世界への恩返し。

本当にそのとおりだと思う。

これから先、震災の復興には、長い時間がかかるだろう。

震災によるガレキは2690万トン。
原発廃炉にも、五年から十年はかかる。

しかし、日本は、震災からわずか六日間で、あれほどひびが入り被災していた高速道路を見事に復旧させて、世界を驚かせた。
仙台空港も、明日から復旧する。
新幹線も、ひとつも震災時に脱線しなかった。

そうした素晴らしい技術力を持つだけでなく、何よりも、フクシマ・フィフティーをはじめとした、自らの職務を忠実に果たす「名もなき英雄たち」が無数に日本に入る。

義捐金や支援金の輪や、献血を見ても、いかに素晴らしい絆が日本にあることか。

菅首相も、震災直後からすぐに自衛隊を十万人派遣するなど、迅速に見事な決断と指揮を行ってきた。

情報公開という点でも、政府は3月12日から放射能の危険についても、きちんと情報を発信し続けてきた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110312/dst11031214190222-n1.htm

復興のための生活支援についても、政府は4月5日、『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』(=被災者等就労支援・雇用創出推進会議・第1段階対応とりまとめ)を出している。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017w5f.html

11日は、復興構想会議の人事が発表された。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110411/plc11041115440014-n1.htm

これから長い道のりを、首相を中心に日本国民が助け合い、協力して、復興のために各自自分の持ち場で努力できれば、日本はきっと復興する。

復興構想会議には、そのための大胆な企画やビジョンを打ち出して欲しい。

そして、何よりも、そのビジョンを実現し、迅速に確かなものにするためには、安定した政治的統合が必要である。
内輪もめをやっている暇はなく、しっかりと安定した政治的統合をつくりあげ、継続して安定して復興計画や復興作業に政治がとりくめるよう、国民はバックアップしていく必要があると思う。

批判や悪罵より、今は建設的な提言や協力こそが大事だと思う。

世界が絆を示してくれたのだから、今度は日本が復興のために団結し、世界が感嘆するような絆を世界に見せる番だろう。

かつて、いくたびもの試練や危機を、日本は一丸となることによって乗り越えてきた。
今度も、首相を中心に協力し合えば、必ずそれができると思う。

お客様民主主義や一億総評論家ではなく、当事者意識を持ち、自分たちが国を支え、自分たちが総理を支える、そういう当事者意識がさらに強まれば、復興もきっと速やかだろう。

聖徳太子は『十七条憲法』の中で、こう言っている。

「上、和らぎ、下、睦びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。」

(政府要路の人々と国民が物事を論じる時に穏やかに協調しあえば、おのずから道理にかない、どんなことでも成就できる)

これができれば、今回も日本はきっとどんなことでも実現できる。

これから、復興構想会議を中心に、日本の復興のビジョンを練らねばならないが、単なる「復旧」になってはならず、未来の日本を創る「復興」でなくてはならないと思う。
新しい文明を創るぐらいの意欲とビジョンがなくては、とても本当の復興構想にならないだろう。
そうした意味で、「新生」こそ、日本にとって必要な事であり、それこそが世界への恩返しだという菅首相のメッセージは、本当にそのとおりだと思う。
エネルギー政策の大胆な転換や、エネルギー利権に関する政官財の癒着を断つことなどなど、首相には日本の新生のために大いに頑張って欲しい。
首相がそのために努力するならば、国民は当然バックアップすべきだろう。

我々がどれだけ絆を持っているか。
いや、新しい絆をつくりだせるか。

それが今、問われているのだと思う。



「絆 Kizuna - the bonds of friendship 」 (平成23年4月11日)
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201104/11kizuna.html

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これまで130以上の国・地域、40近い国際機関、数多くの非政府組織、そして世界中の方々からお見舞いをいただき、さらには義捐金などを通じて支援と連帯を示していただきました。様々な国・地域から救助隊員の方々が駆けつけ、いち早く被災地で救援活動を行い、食料・医薬品・毛布等の物資を届けてくださったことは、被災者を心から勇気づける支援でもありました。また、被災地の復興を願い、遠い国の子供たちが一生懸命折ってくれた千羽鶴も届けていただきました。

 このような世界中からの支援に対し日本国民を代表して心から感謝を申し上げます。

 日本は必ず再生し、復活し、さらに素晴らしい国になります。国際社会が示してくださった温かい激励と連帯に応えるためにも、その新生への道を歩むことこそが、我が国の責務であり、最高の返礼であると考えています。そして、日本国民の底力と国際社会の温かいご協力により、それは必ずできると、私は確信しています。

 そして、世界の皆様からいただいた温かいご支援に対し、国際貢献という形で、必ず恩返しをしたいと思い定めています。

 そのためにも、私は、復興に向けて全力を尽くして参ります。
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