そういえば、菅首相の12日朝の現場視察が現場のベント作業の妨げになり、今回の事態を招いたという批判が長く多くの人からなされてきた。
今もって、そのことを信じている人が多いようだが、先日、他ならぬ菅首相や民主党政権を批判してきた産経新聞が、明確にそのことを否定した。
「遅れの最大の理由は、12日朝の菅直人首相の視察ではなく、電源喪失だった。」
産経新聞 ベント作業10時間ロスで致命傷
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040908340010-n1.htm
今は首相を中心にして、日本が助け合い、協力しなければならない時期なのに、デマやネガキャンがなぜか多くの人によって広められ、それらを十分に検討せずに信じ込んで、菅首相への悪罵や不満や不信や敵愾心をつのらせている人が多いようだ。
もちろん、もし適切な根拠に基づいて批判するのであれば、それは良いと思うのだが、不適切な事実無根のことによって、首相と国民の間が疎遠になったり離間されるとすれば、非常に日本にとってマイナスのことだと憂慮される。
以下のような菅首相や民主党についての誤った情報も拡散しているらしい。
国際原子力機関(IAEA)の当局者が約2年前に、日本の原発の耐震安全指針は時代遅れで、巨大地震が発生した場合は持ちこたえることができない可能性があると警告
↓
麻生総理が原発安全対策予算を盛り込む
↓
原子力施設等防災対策等委託費、原子力施設等防災対策等交付金を民主党の枝野豚(自称:行政刷新担当大臣)に仕分けされる
↓
民主党政権が今年2月に福島原発の今後10年の延長使用を承認
<<
これが、全く事実に反することを、私の知人のどろさんが明晰に指摘してくれた。
以下、参照。
<<
>国際原子力機関(IAEA)の当局者が約2年前に、日本の原発の耐震安全指針は時代遅れで、巨大地震が発生した場合は持ちこたえることができない可能性があると警告
警告を無視したのは自民党。
警告があったのは2008年。
民主党政権誕生は2009年。
ソースはこれ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031622470108-n1.htm
2年前にIAEAが警告か 米公電を基に英紙報道
2011.3.16 22:45
16日付の英紙デーリー・テレグラフは、国際原子力機関(IAEA)の当局者が約2年前に、日本の原発の耐震安全指針は時代遅れで、巨大地震が発生した場合は持ちこたえることができない可能性があると警告していたことが分かったと、内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した米外交公電を基に伝えた。
報道によると、IAEA当局者は、2008年12月に主要国(G8)の原子力安全保障を協議する会合で警告した。日本は06年に原発耐震指針を25年ぶりに改定していた。IAEA当局者は、日本では過去35年間にたった3回しか指針が改定されていないと説明、IAEAが内容を再調査していると語ったという。
会合で、この当局者は最近発生した地震はいくつかの原発の耐震設計基準を超えていると指摘し、深刻な問題だと懸念を示した。日本政府は警告を受け、原発の安全性を高める約束をしたという。(共同)
>国際原子力機関(IAEA)の当局者が約2年前に、日本の原発の耐震安全指針は時代遅れで、巨大地震が発生した場合は持ちこたえることができない可能性があると警告
2年前どころか、自民党は20年前から警告されていたのに、無視してきました。
ソースはこれ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=a.lK3UI3LjpM
福島原発の事故、米NRCが20年前に警鐘−非常用発電機にリスク
3月16日(ブルームバーグ):東日本大震災で東京電力福島第一原発に起きた事故について、20年前に警鐘を鳴らしていたリポートがある。米国の原子力規制委員会(NRC)による「NUREG−1150」だ。
それによると、地震発生時に炉心溶融につながる事故の例として、原子炉を冷却するため水を外部からくみ上げるポンプを動かす非常用ディーゼル発電機の破損や停電、貯水タンクの故障などによる冷却機能不全が高い確率で起こると指摘していた。
今回の事故は、福島第一原発の原子炉6機のうち運転中だった1、2、3号機は地震の揺れを感知して運転を自動停止したが、非常用ディーゼル発電機が作動せず、冷却ができない状態になった。日本政府は、経産省原子力安全・保安院が04年6月に公表した「リスク情報を活用した原子力安全規制の検討状況」という資料で、このリポートも紹介している。
元日本原子力研究所研究員で核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長は、リポートが提示したリスクへの対応策について、「東電は学んでいなかったのだろうか」と指摘、「天災が1000年に一度や想定外といった規模であったとしても、そんな言い訳は許されない」と述べた。
東電の広報担当、元宿始氏は当社がそのリポートを認識していたかどうか直ちには確認できない、と述べた。
原発は、原子炉圧力容器内で燃料が核分裂する熱で蒸気を発生させ、タービンを回している。緊急停止した際には、高温になっている燃料を冷やすため冷却水を注入して冷やす。冷却に失敗すると、炉内の温度が上昇し、核燃料自体が溶け出す「炉心溶融」に陥る危険がある。
>国際原子力機関(IAEA)の当局者が約2年前に、日本の原発の耐震安全指針は時代遅れで、巨大地震が発生した場合は持ちこたえることができない可能性があると警告
国内からも5年前から津波対策の不備が指摘されていたのに、無視したのは自民党政府です。
ソースはこれ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-03-01/2010030101_05_1.html
チリ地震が警鐘 原発冷却水確保できぬ恐れ
対策求める地元住民
原発の津波対策をめぐっては、2006年に日本共産党の吉井英勝衆院議員が国会質問で不備を指摘しています。5メートルの津波(引き波)によって、日本の原発の約8割にあたる43基の原発で、冷却水が海から取水できなくなることを明らかにしました。また、原発ごとに想定されている引き波でも、12原発が、取水不能になるうえ貯水槽もないことがわかっています。(図)
二階俊博経産相(当時)は吉井議員に対策を約束しましたが、保安院によると、4年たった現時点でも改善はされていません。
原発問題住民運動全国連絡センターの伊東達也筆頭代表委員は「1960年の津波のときにはまだ原発はなく、それ以来、本格的な大きな津波に襲われたことはない。今回の経験にたって、電力会社は、防災対策の現状を住民に説明し、対策をきちんとするべきだ」と指摘します。
高野町議は訴えます。「津波対策は、原発の盲点になっているように思う。国の安全審査で漂流物や砂の影響を試験するなど、真剣にやってほしい。大丈夫、大丈夫ということですまされない」
>麻生総理が原発安全対策予算を盛り込む
ソースはこれ。
http://www.bb.mof.go.jp/server/2009/dlpdf/DL200911001.pdf
59ページ
原子力安全対策費 3,627,972,000円
前年から予算化されたもので、麻生が始めたわけじゃない。
しかもその予算を麻生時代に減らしている。
平成20年度予算
http://www.bb.mof.go.jp/server/2008/dlpdf/DL200811001.pdf (59ページ)
原子力安全対策費 3,769,000,000
平成21年度予算
http://www.bb.mof.go.jp/server/2009/dlpdf/DL200911001.pdf (59ページ)
原子力安全対策費 3,627,972,000
21 2011年04月09日 11:40 どろ もっとつづき
>原子力施設等防災対策等委託費、原子力施設等防災対策等交付金を民主党の枝野豚(自称:行政刷新担当大臣)に仕分けされる
1.減らしたのは原発推進予算
ソースはこれ。
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101901001050.html
仕分け対象は
・電源立地地域対策交付金(原発推進予算)
・電源立地等推進対策交付金(原発推進予算)
・放射性廃棄物研究開発(原発推進予算)
・高速増殖炉サイクル実用化研究開発(原発推進予算)
原発を推進する予算が削られたのが不満なのだろうか。
2.減らしたのは天下り培養予算
ソースはこれ
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101901001050.html
↓んで、バカが騒いでいるのはこれ
・原子力施設等防災対策等委託費
・原子力施設等防災対策等交付金
これは原発の地震対策や津波対策の予算ではない。
原発立地県以外の都道府県の放射能測定を天下り財団にさせるというもので、震災対策と無関係。
しかも原発推進族培養予算であり、原発推進予算だ。
そのうえ、事業内容である放射能測定自体は、もっと安上がりに一般財源で確保している。
ソースはこれ
http://www.cao.go.jp/sasshin/shiwake3/details/pdf/1029/kekka/A13.pdf
(3)原子力施設等防災対策等委託費(うち環境放射能水準調査等委託費)
● 効率化を前提に存続。
● 大幅削減。
● 原子力施設の立地県ではない所で毎年測る必要はない。予算半減。
● 廃止。
● 予算を削減すべき(原発設置県以外は2年に1度にするなど)。
● 全面的に見直し。
● (財)日本分析センターの1者応札を見直すべき。
● 予算を20%ほど圧縮。
● 一般会計に移管。
(4)原子力施設等防災対策等委託費(うち防災訓練実施調査)
● 業務内容を明確化、人員の削減。
● 廃止。
● 1者入札に問題あり。この部分は一般会計でよい。
● ガバナンスの見直しで減額。
● 委託先を見直し。
● 委託先について見直し。
● 訓練そのものの予算で対応すべきで、天下り財団の1者応札では品質保証になっていない。入札を見直すべき。
● 予算を20%ほど圧縮。
● 委託先を(財)原子力安全技術センターから変更し、競争的に選定。
3.仕分けが実施されるのは翌年度予算。
今年の震災と何の関係もない。
■自民党、東京電力からの献金の見返りに原発の甘い耐震設計を認可
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-16/2007091615_01_0.html
不正続出の東京電力
役員半数超、自民に献金
原発の検査データ改ざんやトラブルの隠蔽(いんぺい)などの不正が続々発覚した東京電力で、役員十七人が自民党の政治資金団体「国民政治協会」に二〇〇六年の一年間だけで二百七十一万円の献金をしていたことが本紙の調べで分かりました。
国民政治協会が総務省に提出している政治資金収支報告書によると、二十六人いる役員のうち、会長と社長、六人いる副社長は全員が献金を行っています。
田村滋美会長、勝俣恒久社長がともに最高額の三十万円、六人の副社長は二十四万―十二万円、常務取締役が十二万―七万円などと、役職により献金額にランクがあるのも特徴です。
電力会社は、ガス会社、銀行などとともに公共性があるため、企業としての献金は行われていません。しかし、こうした事態は事実上の企業献金にほかなりません。
東京電力による原発の安全にかかわる検査データの改ざんなどの不正は、原発が二百三十三件、火力、風力を合わせると三千八百五十二件が報告されています。なかには、原子炉で重大事故が起きたときに作動するポンプが故障していたのに、検査時には正常に見せかけて検査官をごまかすなどの重大な不正もありました。
今年七月の新潟県中越沖地震では、被害を受けた柏崎刈羽原発近くに地震を起こす断層があることを認識していたにもかかわらず、過小評価し耐震設計していました。安易な原発立地と甘い耐震設計で国から認可を受けていました。
■炉心隔壁や配管にヒビ割れがあっても運転してもよい法案を通したのも自民党
http://homepage3.nifty.com/ksueda/ijikijyun.html
ひび割れ容認の維持基準に反対の声を!
ひび割れ隠し事件等の概要
原発のひび割れ隠し事件の発端は東電でした。シュラウドという原子炉の中にある部品や配管等にひび割れを見つけながら、報告しないでそのまま原発を動かしていたのです。もしもひびが進展して部品や配管が破断したらチェルノブイリのような大惨事に発展する可能性があるにもかかわらず。
さらには国の検査官立会いの圧力容器の密閉度検査でも、漏洩を隠すために空気を注入するという工作が発覚して、福島第一原発1号炉は運転停止1年間の処分を受けることになりました。「五重の壁で放射能を封じ込めます」と宣伝してきた壁の一つが不完全だったのです。検査での工作は明確な犯罪です。(中略
ひび割れ容認の維持基準
ところが、国は「新品同様の基準」が損傷隠しを招いたとして基準緩和を盛りこんだ電気事業法及び原子炉等規制法改正案を臨時国会に提出しました。(中略
しかし、その該当条文(電気事業法改正案第55条3) を見てみると・・・(中略
事業者は、ひび割れを見つけても報告義務もなく社内的に評価を行い、結果を記録・保存さえすれば良いことになっています。
しかも、法案では基準を満たさなくなる予測時期以外になにを評価するかや評価手法は全て省令に委ねられていて国会審議もなしに決められる仕組みになっています。
法案は、2002年12月11日、問題点をそのままにして可決成立してしまいました。
<<
今は、何が本当のことか、各自が根拠を適切に検討して、自分自身で考える事が何よりも大切な時期だと思う。
そして、いろんなネガキャンやデマを乗り越えて、日本の復興のために、国民が助け合い、協力し、団結していくことこそが、本当は大事なのではなかろうか。