英国病ないし日本病からの脱却のためには

自民政権なら英国病に 前原氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011020600072


英国病の原因は、高福祉と基幹産業の国有化と言われている。

今の日本は、それほど福祉が充実しているわけでもないし、基幹産業が当時のイギリスのように国有化されているわけではないので、正確には民主党であろうと自民党であろうと英国病にはならないと思う。

ただし、おそらく前原さんが言いたいのは、いわゆる「40年体制」からの転換が進まず、農業などの低生産性部門の保護や、資本鎖国状態が続くと、英国病のような状態になると言いたいのではないかと思う。
もっと言えば、産業構造の転換がなされないことによる国力の衰退の問題を指摘したいのかもしれない。

「40年体制」の弊害による国力の衰退は、むしろ「日本病」と形容した方がいいのかもしれない。

資本鎖国や規制による低生産性部門の温存が、英国病のように国力を疲弊し衰退させることは、これはもうどこが政権党であろうと、もしこの状態を改めないならば、これから将来も続くことだろう。

民主党であろうと自民党であろうと、どちらの政党でもこの状態を放置すればそうなるだろうし、どちらの政党であろうとこれを改めれば、日本を英国病的状態から、「日本病」から、脱却させることができると思う。

難しい問題なのは、自民党の中にも自由貿易促進や資本開国を主張する立場もいれば、既得権益と結びついてTPPや産業構造の転換に反対の人々もいることである。
民主党もそうである。

民主党自民党か、というよりは、「40年体制」からの脱却を明確に意識し目指す人々が政党の範疇を超えて協力できるかどうかが大事なような気もする。

しっかし、前原さんは、民主党内部でも資本開国反対論者から批判されているし、自民党支持者からもこの発言で叩かれまくって、若干気の毒な気がする。
もっと表現を工夫して、正確に言いたいことを言えばいいのにと思う。