(2010年 9月記す)
Nスペ「”テロリスト”と呼ばれて」という番組があっていたので見た。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100912.html
グアンタナモ収容所から釈放された人の中から、取材に応じた数人について、インタビューがしてあった。
番組を見ていて、もう滅茶苦茶としか言いようがなかった。
グアンタナモには779人がテロリストの容疑で逮捕・収容されていたそうだが、そのうち、少なくとも半数以上はまったく無実の罪だったらしい。
番組に出ていた方も、ボスニアで難民支援に長年携わっていて、たまたま支援を求めていた人がアルカイダ関連の人物だったから逮捕されたという方や、
慈善に長年携わり、たまたまアフガンでモスクを建設しようと大金を持っていたため、テロへの資金提供として逮捕された人、
などなど、もう無茶苦茶であった。
しかも、取り調べは極めて過酷なもので、殴る蹴るの暴行もあり、長い人は八年間近く収容されていたらしい。
中には、無実の罪で収容され、過酷なグアンタナモでの生活に憎悪をつのらせ、釈放後にイラクで自爆テロを起こした人もいたそうである。
思うに、もしアメリカ以外の国が、勝手に他国人を薄弱な根拠で逮捕監禁し、拷問や暴行を加えて、長期に渡り抑留すれば、国際的な大問題となるし、その国は当然「ならずもの国家」と呼ばれるだろうし、まともな国とはみなされず、非人道国家と非難されるだろう。
アメリカのみ、このような横暴が許されるとは、いったいこの世界は何なのだろう。
もちろん、アメリカの個々の市民の人たちは、グアンタナモの閉鎖を求めたり、人権の改善に努力する人たちの様子なども番組では取り上げられていたので、立派な人もいるのだろうけれど、ブッシュ政権時のアメリカの政府というのは本当にろくでもないものだと改めて思わざるを得ない。
ああいうブッシュ政権に唯々諾々と恥もなく従った我が国の当時の首相もだけれど。
オバマさんは昨年一月にグアンタナモの閉鎖を決定し、すでに六百人以上が釈放されたが、まだ閉鎖には至ってないようだ。
アメリカの国内世論はなかなか難しいものもあるようだが、オバマさんには初心を貫いてあのような忌まわしい施設の早期完全閉鎖に努力して欲しい。
にしても、我々の生きているこの同時代に、このような理不尽が、文明国を自称する国で平然と行われ、さほどの非難もなくまかりとおっているとは。
未だに無実の罪で五年や八年といった月日を奪われた人々に対して、アメリカは何の謝罪も補償もしてないそうだが、もし文明国を自称するのであれば、きちんと事態をさらに調査して、きちんとした謝罪と補償に応じるべきだろう。
さもなくば、アメリカに文明国を自称する資格は、ほとんどないと言っても良いのではあるまいか。