以前、Nスペで、JAPANというシリーズの第三回の「通商国家の挫折」という番組を見た。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090607.html
(以下はその時の感想)
戦前の日本が、通商国家をめざしていかに努力し、そして破綻していったかについて、特集していた。
見ていて、本当に、あの時代の日本はかわいそうでならない。
自分の国の歴史ながら、本当に哀れでならない。
なんとかわいそうな国なのだろう。
欧米から無理に開国させられて、敢然とその中で欧米の定めたルールに従って、自由競争の中で通商貿易に励み、やっとイギリスやアメリカに匹敵する貿易国になったと思った途端、
ブロック経済を欧米が形成して市場からはじき出され、石油もろくに買うことができず、自存自衛のためにやむをえず絶望的な戦争に踏み出さずにはいられなかった戦前の日本の歴史を思うと、涙をそそがずにはいられない。
番組でも、メキシコやオランダから石油を輸入しようとする日本に対して、いかに裏で手を回してアメリカがことごとく邪魔して日本が石油を輸入できないようにしていたかが特集されていて、切歯扼腕、実に許しがたい気がした。
もちろん、日本にも、日中戦争のような侵略戦争を行っていたことやナチスと手を組んだなど、非があったと思う。
とはいえ、もともと何故日本がそのような行動をとらざるを得なかったといえば、大恐慌後の世界経済で日本が締め出しを食い、経済も深刻な打撃を受けていたからと言える。
日独伊三国同盟も、私はすべきでない失策だったとは思うが、国際的なはぐれ者同士がやむなく手を組んだという面もなきにしもあらずだと思う。
日中戦争は侵略戦争だったと思うが、対米英戦争は自衛戦争だったと、やっぱり私はあらためて思わざるを得ない。
もともと、大恐慌のような無責任な失敗をアメリカが犯し、しかもそのあとにスムート・ホーレイ法など日本のみを狙い撃ちした市場締め出しを行い、そののちも米英等がブロック経済を形成して日本を市場から締め出したのが、そもそもの日本の苦境の原因だったことを思えば、日中戦争や三国同盟の非はもちろんではあるけれども、日本にのみ責任を求めるのは大間違いであろうし、日本はあまりにも悲劇的な運命を運命づけられた国だったと思う。
自分を哀れんでも仕方ないし、あの時代の日本は、仮にそうであったとしても、日中戦争と三国同盟という二つが大失策だったことの自らの責任はあろうし、戦うのであれば米英に的を絞ってもっと賢く闘うべきだったということは言えるのかもしれない。
にしても、あの時代の歴史を見るたびに、あのように日本を苦境に追い込んだ米英に対する恨みは骨髄に達するし、そのような歴史を忘れて唯々諾々と対米従属に努めているわが国の自称保守政党連中の不甲斐なさに情けなさを感じずにはいられない。
オバマさんは立派な人だと思うし、アメリカは個人的にはいい人も多いと思うけれど、アメリカの過去の邪悪な振る舞いはいずれそれなりの因果応報の報いを受けるべきだと思う。
また、日本人としては、あのような国に対して唯々諾々といつまでも従属国家に甘んじることは、ご先祖さまに対して相済まない、恥の極みだという感覚は、忘れるべきではないと思わずにはいられない。
少なくとも、大東亜戦争・対米英戦争は、自衛戦争であり、むしろこちら側にこそ義があったことは、子々孫々伝え忘れぬようにすべきではなかろうかと思う。
しっかし、資源のない国の宿命とはいえ、通商国家というのは、本当にあやうい、もろい、哀れなものだということを、忘れないべきなのだろうなあ。
日本も、アメリカにのみ頼らず、近隣諸国や、特にAZEANやオーストラリアやインド・スリランカなど、戦前はまだ独立しておらず頼ることのできなかった諸国と真の提携を深めて、二度とあのような苦境に陥らないように、いろんな多角的な関係枠組みの構築にもっと積極的に取り組んだ方がいいのかもなぁ。
戦前の歴史を見れば、基本的に、米中の二カ国はなんら信用するに足らず、ともすれば潜在的に最も日本にとって危険な国だということを、本当は肝に銘じねばならないのだろうと思う。