New23 連合赤軍事件の教訓 (2008年4月)

(2008年4月28日のNews23を見ての当時の感想)


News23で、連合赤軍事件についての特集があっていた。

最近、連合赤軍事件が映画になったそうで、その映画に出演した俳優へのインタビューと、そして当時事件に実際に参加した人へのインタビューがあっていた。

当時、事件に実際に参加した人が二人、インタビューに答えていた。

ひとりは、今は環境問題などに取り組んでいるとのこと。

「社会が本当に何を求めているのか?」を見る目を養うことが、
あの事件の失敗から学んだことだったと答えていた。

もうひとりの人は、連合赤軍の革命は失敗してよかった、と言っていた。

そして、番組のゲストの人が、あの事件以来、直接社会に異議申し立てをすることを我々は忘れてしまった、ということや、
当時はもっと自分が動けば世界が変わるかもしれないと、今よりも強く人々は思っていたし感覚としてそう感じていた、みたいな話をしていた。

いろいろ考えさせられる。

番組では、連合赤軍のリンチの様子を描いた映画の一場面や、弟に兄を殴らせたりした凄惨なリンチの様子を、少し紹介していた。

単純な話、人の命や仲間の命を大事にできない人間が、世直しなんてできるはずがないと私は思う。
だから、理由はなんであれ、あの時代の左翼過激派というのは、ぜんぜん共感できない。

ただ、番組で言っていた、あの事件以来、直接社会に異議申し立てをすることを我々が忘れてしまったということが本当ならば、それは問題だと思う。

ああいう、人命を軽視したような方法ではなく、もっと別の平和裏の着実な形での、社会への異議申し立てというのは、おそらく、単純な武装蜂起以上に本当は勇気や努力が必要なものだろうし、武装蜂起が失敗したならばなおのこと、そちらの方に本当はもっと努力がなされるべき事柄なのだと思う。

そういう意味では、事件の参加者だった方が言っていた、
「社会が本当に何を求めているのかを見る目を養うこと」というのは、とても大事なことなのだと思う。
「社会が本当に何を求めているのか?」を常に問い、自省して、ひとりよがりにならないようにすることが、一番大事なことかもしれない。

連合赤軍事件は、そうした教訓を、とても苦い形で、あまりにも大きな代償を払いながら、のこしているのかもしれない。

映画も、いつか見てみたいものだ。

しっかし、連合赤軍の関係者って、若かったんだなあと、あらためて番組を見ていて驚いた。
私より、みんな若いのではないか。
若さや純粋さは、時にとんでもない悲惨な結果を招いてしまう。
世直しを純粋に志すほどに、人はかえって残酷になってしまう場合もある。

世直しを求めることもなくなってしまうことも、きっと間違ったことなのではあると思う。
ただ、人の命や仲間の命を大事にできない世直しなんて、きっと実現できないと思う。

連合赤軍事件は、今もいろんなことを考えさせられる。
あんまり詳しく知らないから、いつか本ももっと読んでみよう。


(その後、まだその映画は見ていない。社会への異議申し立ても、社会が本当に何を必要としているかを考えることも、ともすれば怠りがちで反省させられる。)