日中戦争期の戦場からのラブレター

ちょっと前のNHKの「クローズアップ現代」で、「戦場からのラブレター」として、日中戦争の頃の夫から妻にあてた恋文のいくつかが紹介されていた。

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2924

なんとなく今の日本人に比べて、戦前戦中はあんまり率直な愛情表現は少ないイメージがあったのだけれど、かなり素直な熱烈な愛情表現がそれらの恋文には綴られていて、かなり意外だった。

石原慎太郎の奥さんの典子さんが、戦死した父親の手紙を紹介されていて、なんとも胸打たれる内容だった。

いつの世も、いつの時代も、人情や人の心は同じ。
決して変わらないものなのだろう。

今、平和な世で、自由に愛する人と会って、ともに過ごすことができるのは、本当に恵まれたことなのだろう。

そのありがたみや、貴重さを大事にしないといけないと改めて番組を見ていて思われた。

幸い、日本は戦後、そうした戦争に巻き込まれずに済んできたけれど、今もアメリカやアフガンなどでは、銃後に家族を置いて戦地に赴かねばならない人も多いのだろう。
やむをえぬ自国の防衛のための戦争はともかくとして、なるべく戦争は避けるにしくはあるまい。

石原典子さんの父親ののこした手紙の、「戦争は罪悪」という言葉も印象深かった。

誰もが、きちんと自分の家族を愛し、その家族の愛しさから他の人間のいのちの大切さに思い至り、慈しみの心を家族以外にも広げていくことができたら。
ちっとはこの世界ももっとマシになるはずなのに。

そのためにも、これらの貴重な証言はきちんと保存し、後世の人も大事に語り継ぎ読み継ぐ方が良いのかもしれない。