「逸題」
舌存何妨縦横 舌 存す 何ぞ 縦横を妨げん
志決任他死生 志 決し 他(か)の死生に任ず
臣豈汚臣素節 臣 豈(あ)に 臣が素節を汚さん
汝休壊汝長城 汝 壊(こぼ)つを休(や)めよ 汝が長城
(大意)
私の命があり、言葉を語ることができるこの口と舌がある限り、
私の機略縦横、経世済民を何ものも妨げることはできない。
天下のために一身を捨てる志はとうに決しているのだから、
生きるも死ぬも天に、他力に、任せている。
自分でどうして自分自身の素懐と節義を汚すことができるだろうか、
決してできるはずがない。
君も、君という万里の長城に匹敵する大事な存在を、自ら壊すようなことは決してあってはならない。