雲井龍雄 「讒せられて感あり」(被讒有感)

「讒せられて感あり」(被讒有感)


孰是為奸孰是賢  孰(いず)れか是(こ)れ奸となり 孰れかこれ賢
素因同異有憎憐  素(も)と 同異に因(よ)って 憎憐あり
唯須留得生前業  唯(ただ) すべからく 生前の業を留め得て
付与千年知己伝  千年の知己に 付与して伝ふべし

(意訳)

薩長藩閥政府の権力者たちと、それを批判する自分との)
どちらが本当に国を誤らせる奸臣なのか、
どちらが本当に国を正す賢者なのか、

もともと、立場や考え方が同じか違うかによって、
人には憎しみも愛もある。
だから、本当にどちらがそうなのかは、この今の時代だけではわからないのではなかろうか。

ただ、私が生きてきた軌跡はきちんと詩や文章に留め残して、

千年先になるかもしれないけれど、
後世の本当にわかってくれる人に伝え残そう。
ずっと後世の人は理解してくれるかもしれないのだから。