現代語私訳『福翁百余話』

福翁百話 現代語訳 目次

福翁百話 現代語訳 目次 http://d.hatena.ne.jp/elkoravolo/20110918/1316313208

現代語私訳『福翁百余話』第十九章 「大きな節目においては親子や夫婦の間でも遠慮する必要はありません」

現代語私訳『福翁百余話』第十九章 「大きな節目においては親子や夫婦の間でも遠慮する必要はありません」 自分が思うことを実行し、少しも自分の志や正義を曲げることがないこと。 それを独立して生きることと言います。 独立して生きることがはたして大切…

現代語私訳『福翁百余話』第十八章 「貧しさや富や苦労や喜びは循環することについて」

現代語私訳『福翁百余話』第十八章 「貧しさや富や苦労や喜びは循環することについて」 人間の智恵が完全に発達することを求めるならば、貧しさや富や苦労や喜びをすべて味わい尽くすほど良いことはありません。 生れからはなんとか飢えや寒さを免れるぐらい…

現代語私訳『福翁百余話』第十七章 「科学について」

現代語私訳『福翁百余話』第十七章 「科学について」 ひそかに考えると、今の西洋文明の学問を文明として、日本や中国の古い学問と比較した時に、両者がお互いに異なっているところの要点を指摘するならば、ひとえに科学という基本に依拠しているか依拠して…

現代語私訳『福翁百余話』第十六章 「貧しい学生たちの苦しい境遇」

現代語私訳『福翁百余話』第十六章 「貧しい学生たちの苦しい境遇」 文明が発達するのは気候風土に恵まれない寒い国であり、大きな功績を成し遂げた偉大な学者は貧しい家の出身に限られていると言われます。 歴史の示すところによれば、たしかに事実のようで…

現代語私訳『福翁百余話』第十五章 「幸福や不幸を生み出すエンジン」

現代語私訳『福翁百余話』第十五章 「幸福や不幸を生み出すエンジン」 ほんの少し顔の表情をしかめたり笑ったりすることが、人の心を動かし、場合によっては社会の幸福や不幸の原因となることがあります。 ある老女性の一言を聴いてその村の家を焼かなかった…

現代語私訳『福翁百余話』第十四章 「名誉について」

現代語私訳『福翁百余話』第十四章 「名誉について」 名誉は人が重視するものであり、財産よりもさらに重要とされる事柄です。 重要であるために、名誉を得るための方法もまた簡単なことではありません。 一般的に、どんなものであっても、求めるが直接的で…

現代語私訳『福翁百余話』第十三章 「人と付き合う方法は簡単ではありません」

現代語私訳『福翁百余話』第十三章 「人と付き合う方法は簡単ではありません」 一つの言葉をどう用いるかということは、非常に大切なことです。 場合によっては、率直な言葉で礼儀を欠いていることが、かえって人を喜ばせることもあります。 場合によっては…

現代語私訳『福翁百余話』第十二章 「思想における中庸」

現代語私訳『福翁百余話』第十二章 「思想における中庸」 人間は、衣食が満ち足りて、すでに安心できる状況に至ったとしても、さらにその上に欲しいものが必ず生じてくるものです。 衣服や食べ物によって飢えや寒さを免れたならば、さらに今度はその衣服や食…

現代語私訳『福翁百余話』第十一章 「国を成り立たせるもの」

現代語私訳『福翁百余話』第十一章 「国を成り立たせるもの」 国民が自分の国の利益だけを企て、他の国の痛みを省みないということは、世界の公然とした事実です。 国家同士の付き合いの本当の様子は、義理も人情もないものだと言えます。 色眼鏡なく平静な…

現代語私訳『福翁百余話』第十章 「独立した人が持つ親孝行の心とは」

現代語私訳『福翁百余話』第十章 「独立した人が持つ親孝行の心とは」 人間は本来社会的動物であり、恩を知るという人間としての本心があるものです。 集まって生活すればお互いに知り合い、すでに知り合った存在であれば、お互いに助け合おうとするのが人間…

現代語私訳『福翁百余話』第九章 「独立した人が持つ忠誠心とは」

現代語私訳『福翁百余話』第九章 「独立した人が持つ忠誠心とは」 人間として、自分が動物とは異なっていると知り、人間の精神はとても気高いもので、 人知でははかりしれない大変すぐれたものであることを自覚して、人間が本来尽くすべきつとめに心を落ち着…

現代語私訳『福翁百余話』第八章 「智恵と道徳において独立するということ」

現代語私訳『福翁百余話』第八章 「智恵と道徳において独立するということ」 独立とは、単に肉体的な事柄に関することだけではなく、精神的な事柄に関する独立こそがずっと大切なことでしょう。 衣食などの物質的な事柄が満たされれば独立が達成されるという…

現代語私訳『福翁百余話』第七章 「文明的な家庭とは親友が集まってできたものです」

現代語私訳『福翁百余話』第七章 「文明的な家庭とは親友が集まってできたものです」 子どもを養育するにあたって、「父は厳しく母は優しく」(父厳母慈)という言葉があります。 父親はなるべく言葉や姿を重々しくして、母親はもっぱら慈愛を持って接し、緩…

現代語私訳『福翁百余話』第六章 「独立して生きる人が用心すべきこと」

現代語私訳『福翁百余話』第六章 「独立して生きる人が用心すべきこと」 自分の一身や一家が独立するということは、西洋文明のありかたにおいては別に珍しくもなく、当たり前の普通の人間が行っていることです。 しかし、新しく開国したばかりの日本において…

現代語私訳『福翁百余話』第五章 「独立するための根気」

現代語私訳『福翁百余話』第五章 「独立するための根気」 独立という人間にとって最も大事なことを達成して人生を終え、そしてこの独立の大切さを子や孫に伝え、あるいは世の中に教えて導こうとするためには、ほんの少しも怠惰であるようなことがあってはな…

現代語私訳『福翁百余話』第四章 「金と自分自身とどちらが大事か」

現代語私訳『福翁百余話』第四章 「金と自分自身とどちらが大事か」 ことわざに「先立つものは金なり」という言葉があります。 いかにもそのとおりで間違いありません。 商売にも工業にも資本金が必要なことは言うまでもなく、家庭生活や社会生活においても…

現代語私訳『福翁百余話』第三章 「独立は財産だけに依拠すべきではありません」

現代語私訳『福翁百余話』第三章 「独立は財産だけに依拠すべきではありません」 自分の身の独立を成し遂げようとするには、自分の力で働いて、仮にも他人を頼ったり依存したりすべきではありません。 これがつまり、資産を大事にする理由であり、今さらたく…

現代語私訳『福翁百余話』第二章 「風流なことも世俗のことも両方に博識であるべきです」

現代語私訳『福翁百余話』第二章 「風流なことも卑俗なことも両方に博識であるべきです」 博識であるということは、知識や見聞が広いということです。 必ずしも善いことだけを知っているわけではなく、悪いことも知り尽くしているのが、博識というものです。…

現代語私訳『福翁百余話』第一章 「人生の独立について」

現代語私訳『福翁百余話』第一章 「人生の独立について」 「人生の独立」とは、文字に書けば難しいことのようですが、それほど深い意味があることではありません。 ただ他人に迷惑をかけてまで世話にならないようにすることです。 生れてから、両親に養い育…

【目次】 現代語私訳『福翁百話』 全百章

『福翁百話』 全百章 完訳 (なんとか出版できないかと思い、いくつかの出版社に相談してみましたが、難しいとの返事でした。 もしこのページを見た出版社の方、あるいは出版社に御知り合いの方がおられましたら、どうか出版を検討していただけないでしょう…