2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

安倍首相辞任へとの報道を聞いて思ったこと

安倍首相が辞任の意向を固めたそうで、長かったなぁというぐらいで特に何の感慨もないのだけれど、安倍政権の時代とその前とで比較した場合、ひとつ気になることがある。 それは、安倍政権よりも前と比べて、安倍政権の時代になってから、権力者に媚びへつら…

映画「キリング・フィールド」を見て

カンボジアのポルポト時代を描いた作品。 前半では、主人公のアメリカ人の記者と友人のカンボジア人の記者が、ポルポト派が侵攻してきて占領するプノンペンにいる様子が描かれる。 はじめはあそこまでポルポト派がひどいとは、市民や報道記者たちもよくわか…

マイケル・モーパーゴ『アーニャは、きっと来る』を読んで

マイケル・モーパーゴ『アーニャは、きっと来る』を読んだ。毎度のことながら、モーパーゴ作品にはしばしば泣かされるのだけれど、ラストはやっぱり泣かされた。フィクションだが、いくつかの経験やさまざまな当時の証言や出来事が組み合わせられて基になっ…

Nスペ『アウシュビッツ 死者たちの告白』を見て

先日録画していたNスペの『アウシュビッツ 死者たちの告白』を見た。「ゾンダーコマンド」つまり、ユダヤ人でありながら、ナチスの手先としてガス室の運用や死体の処理に携わった人々が書きのこしたメモの数々についての特集だった。アウシュビッツのガス室…

太宰治 「惜別」「右大臣実朝」を読んで

新潮文庫の太宰治『惜別』には、表題作のほかに「右大臣実朝」も収録されており、太宰の中期の中編小説二編が収録されている。 「右大臣実朝」は源実朝を描いた小説で、おそらくは自分自身を実朝に投影しているのか、とても思い入れのある感じで、リアルに描…

藪野祐三『有権者って誰?』を読んで

若者向けにわかりやすく書かれた岩波ジュニア新書の本で、面白かった。 本書は、有権者をいくつのか種類に分け、通常あまり選挙に行かない「消費者としての有権者」や惰性で投票行動を行う「常連としての有権者」と、市民性を持って公平な視点から投票に臨む…

立憲民主と国民民主の合流の報道を聞いて

立憲民主党と国民民主党の合流がおおむね決まったとのこと。水面下で調整や交渉に当たった人々の努力は、たぶん外野にはわからないものがあったと思うし、一強多弱で各個撃破されるという状況を脱するためには貴重な一歩だったとは思う。 ただ、関係者の方々…

「信じること働くこと カーター自伝」を読んで

『信じること働くこと カーター自伝』を読み終わった。 第三十九代アメリカ大統領のカーターの自伝である。 本書は政治的な回顧録ではなく、もっぱら著者のキリスト教信仰についての本で、信仰を軸にした人生経験の回想が綴られている。 読んでいて思ったの…

手島佑郎『ユダヤ教の霊性 ハシディズムのこころ』を読んで

手島佑郎『ユダヤ教の霊性 ハシディズムのこころ』を読み終わった。とても興味深く、良い本だった。 ハシディズムとは18世紀に起こったユダヤ神秘主義だということぐらいは知っていたが、その詳しい内容はどうも今までよくわからなかったので、本書を通して…

加藤直樹『九月、東京の路上で -1923年関東大震災・ジェノサイドの残響』を読んで

加藤直樹『九月、東京の路上で -1923年関東大震災・ジェノサイドの残響』(ころから、2014年)を読み終わった。 関東大震災の時に行われた、いわゆる朝鮮人虐殺について書かれた本である。 読みながら、ただただ、ひどい、としか言いようがなかった。 この…

2020年の8月15日に思ったこと

今日は8月15日。 戦後75年の節目で、戦後50年から四半世紀も経ったことを思うと、ある種の感慨があった。 戦後50年の時、私は高校生で、それなりに一応真面目だったのか、岩波文庫の『きけわだつみのこえ』や、色川大吉などの昭和史の本を随分と真剣に読んだ…