2010-12-10から1日間の記事一覧

誰でも草莽

「草莽」とは、なにも特別なことではないと思う。 自分が草莽と思えば、誰でも草莽になる。そんなものだと思う。 もちろん、自分では草莽ということばを意識していなくても、実際には草莽の名がふさわしい人もいっぱいいると思う。 ある人が、こんなことを言…

政治的麻痺の国

去年の今頃、七年ぶりぐらいに、ジョン・ダンの「日本のたどる政治的麻痺への道 置き去りにされた民主的希望」という文章を読んだ。 (以下はその時の感想)これは、2002年の6月、「思想」という雑誌の938号に載ったもので、丸山真男について論じながら、ジ…

忠臣蔵論

もうすぐ、忠臣蔵のシーズン。以前、近代デジタルライブラリーで、「赤穂義士評論」なる本を見つけて、ちょこっと読んだが、なかなか面白かった。 いろんな思想家が、赤穂浪士をどう評価したか、ということがまとめてある。 http://opac.ndl.go.jp/recordid/…

今ここにゆえに我あり

以前、予備校の模試の採点をしていた時に、なかなか面白い答えがあった。 本当は、デカルトの「我思うゆえに我あり」という答えを書かなければいけない欄に、 「今ここにゆえに我あり」 と書いてあった。 かなり笑ったあと、これは名言だ、デカルトよりこっ…

準備が90%

「料理は準備が90%で、お客さんの前でつくったりするのは10%ぐらい」 という話を、以前、あるお店で聞いて、なるほどーっと思った。 たしかに、そうかもしれない。 お店の料理というのも、下ごしらえや準備が一番大事だし、一番大変なのだろう。 料理もそ…

ETV「障害者たちの戦争」

去年の今頃、NHK教育テレビのETV特集で、「障害者たちの戦争」という番組を見た。 戦時中の障害者への動員や扱いが特集されていた。 http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2009/1206.html 江戸時代は当道座という組織があり、障害者の人は優先的に特定…

00年代から10年代へ

昨年の今頃、こんな文章を記した。<< 「00年代から10年代へ」 そういえば、今年で2000年代の一ケタ台は終るわけで、来年からは「10年代」ということになる。 とすると、この今までの十年間は、後世からは「00年代」という風に呼ばれるようになるのだろう。…

皇室について

皇室・天皇について語ることは、わが国では残念ながらとても困難を極める。 なぜならば、ステレオタイプな右翼や左翼にとっては、皇室の肯定や否定に対して、ステレオタイプに反発をもたらす問題になるからだ。 その人のあり方やアイデンティティが問われて…

不捨軛(ふしゃやく)ということ

以前、阿弥陀経のサンスクリット文とその対照和訳を見ていたら、鳩摩羅什による漢訳には載っていない、アニクプシタドゥラ菩薩という菩薩の名前が出ているのにはじめて気づいた。 意味をとって漢字に訳するならば「不捨軛菩薩」(ふしゃやくぼさつ)というこ…

秋山好古の晩年の生き方

以前、衛星第二で、「拝啓 秋山校長殿 〜日本騎兵の父 秋山好古の晩年〜」という番組があっていた。 四国ローカルの放送だった番組をアンコールで放映していたようで、晩年の秋山好古にスポットを当てていた。 とても良い番組だった。 http://www.nhk.or.jp/…

李朝と現代日本 雑感

李氏朝鮮と今の日本は、いろいろ似ているところがあるのではないかとかねがね思っている。 もちろん、似ていないところもいっぱいあるだろうし、あくまで印象論に過ぎないのだけれど、類似点としては以下の諸点。 「一」、李朝は、明の没落にうまく適応でき…

なぜ“なぜ?”と思わないのか

以前読んだ、日本の禅宗のお坊さんとスリランカの上座部仏教のお坊さんの対談の中に、なかなか考えさせられたことが書いてあった。 その日本のお坊さんが、 大正末や昭和初期生まれの人は、敗戦で一度「思想的背骨」が折れている。 だから、自信を持って社会…

わかったような気にならないこと

先日、最終回を迎えた大河ドラマ「龍馬伝」。 第一回から、とても面白かった。 土佐の上士と下士の過酷な身分差別の様子や、それらを跳ね返そうとする龍馬や武市や岩崎弥太郎の気骨や面魂に、あらためていろんなことを感じ考えさせられた。 いつの世も不条理…

このデフレ経済について若干の感想

以前、ニュースの特集番組で、デフレスパイラルについて説明があっていた。 先進国の中でデフレ経済に突入したのは日本だけ、 デフレスパイラルには、あまり物を買わずに貯蓄に回そうとすると日本人の国民性も関係があるのではないか、 みんなが一斉に積極的…

印象深かった事件 その4 フランス・中国の核実験

私が高校生だった時に、とても印象深かった事件として、フランスと中国の核実験があった。 CTBTの成立の直前、データを収集するために駆け込み的にその年1995年、フランスと中国は大規模な核実験を強行した。 言い出したのが誰だったのかはどうもはっき…

印象深かった事件 その3 沖縄米兵少女暴行事件

私が高校生だった時に、とても衝撃的な事件があった。 1995年の9月に起こった、沖縄米兵少女暴行事件である。 米軍の海兵隊三名が、当時十二歳の日本人の小学生を拉致し、集団で強姦した事件だった。 日米地位協定のため、実行犯三人の身柄が当初日本側に引…

印象深かった事件 その2 阪神大震災

私が高校の頃に起こった阪神大震災は、私は直接は体験したわけではないけれど、当時とても印象にのこった出来事だった。 遠い九州に住んでいて、なにも直接の体験はしていないが、震災直後の連日の報道を通して、とても強い印象を受けた。 実際に被災された…

印象深かった事件 その1 オーム事件

今まで生きてきた中で、いくつか強烈な印象の事件というものがあった。 1995年頃の、オーム真理教による地下鉄サリン事件などの一連の事件は、当時高校生だった私にとって、とても印象が強かった。 あの時に、思ったことで、その後の私の人生にかなり影響し…

ETV「死刑裁判の現場」を見て

もう半年ぐらい前になるが、ETV特集「死刑裁判の現場」という番組を見た。 http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2010/0530.html 四十年前にあった、ある強盗殺人で死刑判決を受け執行された青年について、その時の検事だった方やゆかりの方の記憶のインタ…

核密約問題 論点整理

【核密約問題 論点整理】 (2010年3月に記) ・ 1、今回、民主党が自民党政権時の日米核密約の存在を明らかにしたのは、国家機密の漏洩になるのか? → ならない。とっくの昔にアメリカの公文書館から公文書が出てきている。 ・ 2、今回、民主党が日米…

日米の「優しい嘘 」

先日、「優しい嘘」ということについて書いてある文章を読んで、ふと考えさせられた。 ・日本とアメリカの関係を「同盟」と呼ぶこと ・日米安保の対象が「極東」であること ・日米安保における「事前協議」制度 なども、「優しい嘘」のうちに入るのだろうか…